ふじき矯正歯科では、矯正歯科治療で歯並び・かみ合わせをきれいにするとともに、お口のトレーニングで口の動きまできれいにすることを目指して治療しています。
きれいな歯並びをきれいに見せられるように、きれいなかみ合わせできれいに食べられるように、きれいな口の動きを身につけるのです。
奇跡の一枚のためだけに、歯並びをきれいにするのはもったいないですからね。
人間は、話したり、食べたり、表情を表したり、など、普段、いろいろと口を動かしています。
矯正歯科治療で歯並び・かみ合わせをきれいにするとともに、このような口の動きまできれいにできれば、きれいな歯並び・かみ合わせの価値は、さらに高まると思います。
元々、きれいな歯並び・かみ合わせの人は、きれいな歯並び・かみ合わせに適応した、きれいな口の動きをしています。
ガタガタ・デコボコの歯並び、出っ歯、受け口などの不正咬合の人は、これらの不正咬合に適応した、少し問題のある口の動きをしていることが多々あります。
この少し問題のある口の動きは、不正咬合を矯正歯科治療できれいに整えた後も残ったり、口がきれいに動くようになるまでに時間がかかったりします。
海外の学術論文で、矯正歯科治療後2年の時点での噛む能力は、矯正治療前と同じかやや低い状態であるが、矯正治療後5年の時点では、噛む能力が矯正治療前より有意に改善した、という報告があります。
矯正歯科治療で歯並び・かみ合わせを整えた後、その歯並び・かみ合わせに筋肉が適応してきちんと噛めるようになるためには、5年もの時間がかかるということです。
5年という時間をどのように考えるのかは人それぞれだと思いますが、5年も待てないという方もおられると思います。
私自身も、ただ5年間待っているだけ、というのはもったいないような気がします。
そこで、当院では、矯正歯科治療と並行して、お口のトレーニングを行っています。
矯正歯科治療では、数年かけて、少しずつきれいな歯並び・かみ合わせになっていきますので、この間に、きれいな口の動きも少しずつ身につけていくのです。
消極的にきれいな動きになるのを待つのではななく、積極的にきれいな口の動きも身につけていこう、という考え方です。
きれいな口の動きは、矯正歯科治療後の、歯並び・かみ合わせの安定性にも役立ちますしね。
少し余談になりますが、最近、「噛まない人、噛めない人」が増えていると言われています。私自身も、まったくその通りだと考えており、噛まない・噛めないだけでなく、まともに口を動かせない人が増えているような気がしています。(数年前に、私のこの意見を朝日新聞に掲載してもらったことがあります。興味ある方は、こちら(1),(2)をご覧ください。)
したがって私自身は、口の中だけを見て矯正歯科治療するのではなく、口の動きまで見て矯正歯科治療をしたいと思っています。
そして、歯並び・かみ合わせを整えるとともに、きちんと口を動かせるようにしてあげたいと考えています。
そこで、ふじき矯正歯科では、矯正歯科治療後のきれいな歯並び・かみ合わせにふさわしい、きれいな口の動きも身につけられるように、お口のトレーニングなどの指導を行っているのです。
具体的にどのようなことをするのか、ということですが、
当院で行う「お口のトレーニング」は、2012年と2016年に当院で出版した下記の本の内容が中心となります。
お口で こんな動き できるかな? 口の適応力向上トレーニング
(好評のため、2016年に「新お口でこんな動きできるかな?」という改訂版も出版しました。)
内容としては、基本的な口の動きができるのかどうかをチェックし、できない場合は、その動きができるようになってもらうように指導します。
例えば、「口角を左右に動かせるかな?」などをやってもらいます。
(新お口でこんな動きできるかな?より引用)
この動きがきちんとできれば良いのですが、できない場合は、できるように指導していきます。
また、「コップから飲む時に気をつけること」などの指導もします。
例えば、元々出っ歯の人は、コップを口へ深く入れて、上唇をあまり使わずに飲む癖がついていることが多いです。
(新お口でこんな動きできるかな?より引用)
このような方には、コップのふちを上下の唇ではさんで飲むように指導したりします。
(新お口でこんな動きできるかな?より引用)
コップのふちを上下の唇で挟む飲み方は、上唇をきちんと使えない人にとっては、とても飲みにくい飲み方ですが、これが本来のきれいな飲み方です。
この飲み方ができないと、上唇をきちんと使えないままになってしまい、普段から口がポカンと開きやすかったり、口の動きがきれいになりません。
他には、前歯で噛み切ること、奥歯でモグモグ噛むことなども指導します。
(お口でこんな動きできるかな?より引用)
前歯で噛み切って食べる習慣のない人は、口の中へ食べ物をたくさん入れて、ほおばって食べる人が多く、あまりきれいに食べることができませんからね。
なお、口の動きや使い方は癖になっている場合が多いので、少し気をつけたり練習をしたりするだけできれいになる、というほど簡単なものではありません。
幸い、矯正歯科治療は数年間かかりますので、この間に口を動かす練習もして、歯並び・かみ合わせがきれいになる頃に、口の動きもきれいになっていればよいな、と私は思っています。
歯や口は、一生使っていくものですから、大切にしたいものです。
そして、歯や口をきちんと使えるように、きれいな口の動きを身に付けることも大切、ということを心に留めておいていただければ、と思います。
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