ふじき矯正歯科では、「矯正歯科治療」を受ける全ての方に、「お口のトレーニング」を行っています。
矯正治療後のきれいな歯並び・かみ合わせに調和した口の動きを身につけていただくためです。
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こんな説明では、ちょっとわかりにくいですね。
例えば、見た目がかわいいから買ってみたけど、いざ使ってみると使い勝手が悪くて困った、そんな経験、皆さんもあるのではないでしょうか。

要は、見た目が良いだけでなく、快適に生活できることが大切、ということです。
矯正歯科治療も同じです。
ただ見た目を整えるのではなく、治療後の歯並び・かみ合わせで快適に生活できないと困ります。
矯正治療後の歯並び・かみ合わせと、食べたり飲んだり話したりなど、口の動きを調和させる必要があるのです。

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このページの目次
・症例で説明
・後戻りとの関係
・口の形と動きとの調和
・お口のトレーニングが必要な人・不要な人
・お口のトレーニングの内容紹介
・お口のトレーニングの具体例1
・お口のトレーニングの具体例2
・お口のトレーニングの期間
・お口のトレーニングだけしたい方
・最後に
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[症例で説明]
一つの例を示しながら、ご説明します。
この方は、矯正治療前、上下の歯をかみ合わせても、おく歯しか接触せず、上下の前歯が全くかめない状態でした。
いわゆる「開咬」という不正咬合です。
(写真は、矯正治療前と矯正治療後です)
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(Angle I級開咬、治療開始年齢:18歳、上下左右の親知らず抜歯、マルチブラケット装置装着期間:約2年、治療費:約80万円、矯正治療リスクの歯根吸収等はなし。ただ、顎間ゴムを1日22時間以上しっかり使ってもらいました。)
矯正治療をして、写真のようにきれいにかみ合うようになりました。
見た目もかみ合わせもきれいになって、とてもよくなったような気がしますよね。

しかし、この患者さんから、矯正治療後に言われた言葉が、
「前歯が変にあたって、噛みにくい」でした。

考えてみれば当然です。
(写真は、矯正治療前と矯正治療後です)
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矯正治療前には全く接触していなかった上下の前歯が、矯正治療後にはかみ合うようになったわけですから、矯正治療後に矯正治療前と同じ噛み方で噛んだら、それは噛みにくいことでしょう。

矯正治療後の新しいかみ合わせにふさわしい新しい噛み方を身につける必要があるということです。
そのために、「お口のトレーニング」が必要なのです。
[後戻りとの関係]
矯正治療終了後も治療前の噛み方で噛んでいたりすると、歯が後戻りしやすくなります。

少し難しい話になりますが、
この方は矯正治療前、その時の歯並び・かみ合わせに適応した噛み方をしていたはずです。
つまり、歯並び・かみ合わせと噛み方のバランスはとれていたということです。
このバランスを崩して、矯正歯科治療で歯並び・かみ合わせを変えました(整えました)。
この時に噛み方も一緒に変化しなければ、歯並び・かみ合わせと噛み方のバランスは悪くなります。
矯正治療後も治療前のままの噛み方をすると、噛みにくくなるのは当然です。

逆に、矯正治療後も治療前の噛み方をするのであれば、矯正治療前の歯並び・かみ合わせの方が噛みやすいはずです。
そのため、矯正治療後も治療前の噛み方をすると、歯は矯正治療前の状態に戻ろうとします。
戻ってくれた方が噛みやすいからです。

矯正歯科治療では、治療前のバランスを崩して、新しい歯並び・かみ合わせにします。
その時に、新しい歯並び・かみ合わせにふさわしい、新しい噛み方を身につけないとバランスが悪く、歯は後戻りしやすくなる、ということです。

また、矯正治療後に噛みにくいからといって、治療前とも違う噛み方で長期間噛んでいたりすると、後戻りではなく、ぜんぜん別の方向へ歯が動いたりすることもあります。

ついでに言いますと、例えば、
「歯が痛い」などで、変な噛み方を長期間続けたりすることでも歯は動きます。
歳をとって口の周りの筋力が弱くなったり、バランスが変化したりすると、それでも歯は動きます。
歯は、ちょっとしたことで簡単に動きます。

[口の形と動きとの調和]
矯正歯科治療を行うと、大なり小なり、必ず、かみ合わせなど、口の形が変化します。
例えば、 この方は、ガタガタした歯並びが治るとともに、前歯のかみ合わせも変化しているのが、見てわかると思います。
(写真は、矯正治療前と矯正治療後です)
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(Angle I級叢生・開咬、治療開始年齢:18歳、上下左右の第一小臼歯抜歯、マルチブラケット装置装着期間:約2.5年、治療費:約90万円、矯正治療リスクの歯根吸収等はなし。矯正治療の痛みと違和感がとても大変だったようですが、歯みがきをきちんとするなど本人がとても前向きに治療に取り組まれましたので、むし歯や歯周病などのリスクは生じませんでした。)
この方は、上の前歯が前に出ているかみ合わせが改善し、口元も変化しています。
(写真は、矯正治療前と矯正治療後です)
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(Angle II級上顎前突、治療開始年齢:18歳、上下左右の第一小臼歯抜歯、マルチブラケット装置装着期間:約2.5年、治療費:約90万円、矯正治療リスクのひとつである歯根吸収が、上顎前歯で起こりました。この方も、矯正治療の痛みと違和感がとても大変だったようです。しかし治療後には、口を閉じやすくなったと、とても喜ばれていました。)

そこで、くり返しになりますが、
口の形の変化に合わせて口の動きも変えていくために、そして口の形と動きを調和させるために、「お口のトレーニング」を行うのです。

「お口のトレーニング」の必要性、何となくご理解いただけましたでしょうか?

[お口のトレーニングが必要な人、不要な人]
矯正歯科治療で歯並び・かみ合わせを整えるだけで、自然に口の動きまできれいになる人もいます。
口の適応力の高い人たちです。
そのような人たちには、「お口のトレーニング」は不要です。

しかし、近年は「噛まない人が増えた」と言われるように、口をきちんと動かせない人が増えてきています。
口の適応力の低い人たちが多くなってきているのです。
それに応じて、矯正歯科治療できれいな歯並び・かみ合わせにするだけで、自然に口の動きまできれいになる人は減ってきているように思います。

現に、世界の矯正歯科学の学術誌でも、2000年くらいまでは、「口の形に口の動きは適応する」といった内容の論文が多かったのですが、2010年頃から、「お口のトレーニング」の重要性を示す論文が増えてきています。
(このあたりは私の専門なので、話し出したらとても長くなりますので、ここでは省略します。)

そこで当院では、全ての方に「お口のトレーニング」を行っています。
「きれいな歯並び・かみ合わせにふさわしい、きれいな口の動きを身につけること」、「口の適応力を向上させること」が、当院の「お口のトレーニング」の目標になります。

[口のトレーニングの内容紹介]
では、実際にどのような事をするのか、ということですが、
当院で行う「お口のトレーニング」は、2012年と2016年に当院で出版した下記の本の内容が中心となります。
これらの本の出版後も、少しずつレパートリーは増えてきていますので、少しずつ変化、進化し続けています。


お口で こんな動き できるかな? 口の適応力向上トレーニング
(好評のため、2016年に「新お口でこんな動きできるかな?」という改訂版も出版しました。)


内容としては、
基本的な口の動きができるのかどうかをチェックし、できない場合は、その動きができるようになってもらうように指導します。

口の適応力の高い人の場合は、こちらで示した基本的な口の動きを、簡単にできてしまうことが多いので、「この動きを忘れないでね」といった簡単な指導だけで、特に練習する必要はありません。
できない動きがある場合に、できるようになってもらうだけです。

したがって、毎日するトレーニングではなく、できるようになることを目標とした指導を行います。

[お口のトレーニングの具体例1]
具体的な内容を一つ紹介しましょう。
ブクブクうがいです。
上下の歯をかみ合わせたまま、右で10回ブクブクブク、左で10回ブクブクブク、左右別々にブクブクうがいします。
これを左右5往復。

(お口でこんな動きできるかな?より引用)
皆さんも、一度、このブクブクうがいをやってみてください。
思った以上に大変で、できない人もおられると思います。
当院でする場合は、細かいチェックポイントがいろいろあり、それら全てをクリアするのはなかなか大変です。

このようなトレーニングメニューがいろいろあり、その動きをできるようになってもらうのが、ふじき矯正歯科の「お口のトレーニング」です。

[お口のトレーニングの具体例2]
上で示した患者さんですが、矯正治療後に、
(写真は、矯正治療前と矯正治療後です)
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(Angle I級開咬、治療開始年齢:18歳、上下左右の親知らず抜歯、マルチブラケット装置装着期間:約2年、治療費:約80万円、矯正治療リスクの歯根吸収等はなし。ただ、顎間ゴムを1日22時間以上しっかり使ってもらいました。)
「せっかく前歯で噛めるようになったから、口の中の食べ物をできるだけ前歯で噛むようにしている」と言われました。
ちょっと、その噛み方はどうなのでしょう?

人間は、本来、
前歯で噛み切って口の中へ食べ物を取り込み、
口の中に入った食べ物は、おく歯でモグモグ噛んで食べます。

(お口でこんな動きできるかな?より引用)
したがって、口の中に入った食べ物を、前歯でモグモグ噛むのは、ちょっと間違っています。
この患者さんにも、そのように指導しました。

しかし、一言説明しただけで、おく歯で上手に噛めるようになるわけではありません。
「舌を使って食べ物を歯の上に運んで、、、」など、少しずつ、噛む動きを身につけていけるように指導しました。

ちなみに、噛む動きって、そんなに単純ではありません。
ちょっと考えてみればわかると思いますが、食事の時には、舌を噛まずに食べ物だけを噛んでいますよね。
食べ物と一緒に舌も噛んでしまいそうなのに。。。なんだか不思議です。

食べるときには、舌は食べ物を歯の上に運ぶなど、とても巧みな動きをしています。そのおかげで、舌を噛むことなく、食べ物だけを噛むことができています。
毎日、何気なく行っている食事ですが、口の中ではとても複雑な動きが行われているのです。

したがって、「噛むときにはこのように動いているんだよ」「飲み込む時はこんなふうだよ」と一言説明して、簡単にできるようになってもらえることはなく、「お口のトレーニング」で基本的な口の動きを少しずつ身につけてもらいながら、一歩一歩進めていく必要があります。

[お口のトレーニングの期間]
長年の口の動きが癖になっている場合は、長年の癖を1日や2日で簡単に変えられることはありませんので、数年間にわたる矯正治療期間を通して、数年かけて少しずつ口の動きも変えていきます。

お口のトレーニングは、「こうすればよい」という単純なものではなく、地道に長期間かけて積み重ねていく根気も必要ということです。

幸い、(と言って良いのかわかりませんが、)
矯正歯科治療を行うときには、数年間、当院へ通院し続ける必要がありますので、その間に、矯正治療と並行して「お口のトレーニング」を行うことで、多くの人はきれいな口の動きも身につけていかれます。

[お口のトレーニングだけしたい方]
「矯正治療をせず、お口のトレーニングだけをしたい」と考えられる方もおられると思います。
これは、トレーニングの目的によっては可能です。
いつも口が開いている、ほとんど噛まずに丸飲みする、等、口をあまり動かせない方、動かさない方、口の機能に問題がある方などは、お口のトレーニングをしたらよいかもしれません。

ただ、口の形(歯並び・かみ合わせ)を整えることなく、口の動きだけを整えようとするのが本当に良い事なのか、などについては、よく考える必要があります。
また、口のトレーニングは、長期間通院し練習し続ける、という根気が必要なので、口のトレーニングだけで続けるのは、なかなか大変なのも事実です。

[最後に]
ちょっと長くなってしまいましたが、ふじき矯正歯科の「お口のトレーニング」は、このような熱い思いと深い考えがあって行っています。
矯正治療後のきれいな歯並び・かみ合わせで快適に生活していけるように、矯正治療後のきれいな歯並び・かみ合わせをきちんと安定させられるように、「お口のトレーニング」、一緒に頑張っていきましょうね。

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